両指を駆使しても足りないほどの大罪を犯したあなたはそのまま逃亡していくのでしょう?
止めようとその袖に手を伸ばそうとするも、私の手はあなたの腕を抜けていく。
どうしてだと、何故なんだと、頭を抱えて考え込む。
分からない、分からない、分からない。
どうして、あなたは私を置き去りにしていくの?
私を奪っておいて逃げていくあなたの行為は決して両指を折り曲げても折り曲げても、足りない。

***


危ないポジションを保ち続ける私はペテン師と言われればそれまでかも知れないけれど、
拒み続けて、避け続けて、拒絶しているのに決して遠くへはいかないこの居場所は、
言ってみれば最高の場所なのかもしれない。
歩み寄りはしないのに見えない所へはいかないのは本当は受諾しているという行為に値するのかもしれない。


***

少し前に押し入れから出してきたのは少しレアな雰囲気を漂わせているパレット。
コップに水を汲んで、筆を用意して、絵の具を用意した。
そこのパレットにいろを出してみる。混ぜてみる。塗ってみる。
あかとあおを混ぜればむらさきに。
あおときいろを混ぜるとみどりいろに。
こいいろにしろを混ぜるとパッと明るくなる。
試しに、とくろいろを取り出した。
しろいろにくろいろを少しだけ混ぜる。
ちょっとだけ、くろっぽい。はいいろ。
これ、これ!!
曖昧な灰色という色は言葉を濁す私にピッタリなのかもしれない。

さぁ、さぁ!
最終更新日:6月2日

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